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AIエージェントの仕組みを図解でわかりやすく解説

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AIエージェントの仕組みを図解でわかりやすく解説

AIエージェントは「自律的に動く」と言われますが、実際にはどのような処理が行われているのでしょうか。本記事では、AIエージェントの内部動作の仕組みを、ReActループ、ツール呼び出し、メモリ管理という3つの観点からわかりやすく解説します。

AIエージェントの基本動作:ReActループ

AIエージェントの核心となる動作パターンは「ReAct(Reasoning + Acting)」と呼ばれるループ処理です。このループは以下の4ステップで構成されています。

Reason(推論): LLMが現在の状況を分析し、次に何をすべきかを考えます。ユーザーからの指示とこれまでの実行履歴を踏まえて、次の行動を決定します。

Act(行動): 推論の結果に基づいてツールを呼び出します。ウェブ検索、コード実行、ファイル読み書きなど様々なツールが利用可能です。

Observe(観察): ツールからの実行結果を受け取り、LLMに渡します。エラーが発生した場合もその情報がフィードバックされます。

Reflect(反省): 観察結果をもとに目標達成度を評価し、次の推論ステップに進みます。目標が達成されればループを終了し、未達成なら再び推論から繰り返します。

ツール呼び出しの仕組み

AIエージェントがツールを使う仕組みは、Function CallingまたはTool Useと呼ばれる技術に基づいています。LLMはテキストを生成する過程で、「このタスクにはウェブ検索が必要だ」と判断した場合、特定のフォーマットでツール呼び出し命令を出力します。

エージェントのランタイムシステムがこの命令を受け取り、対応するツール(検索API、Pythonインタープリタ、データベースクライアントなど)を実際に実行します。実行結果はLLMに返され、次の推論の入力として使われます。

AIエージェントのツール使用とはについて詳しくは別記事でも解説しています。この仕組みにより、AIエージェントは事前に決められた応答を返すだけでなく、リアルタイムで外部情報を取得したり、実際のシステム操作を行ったりできるようになります。

コンテキストウィンドウとメモリの役割

AIエージェントが複雑なタスクを処理する際、すべての会話履歴やツール実行結果をLLMに渡すとコンテキストウィンドウ(LLMが一度に処理できるトークン数の上限)を超えてしまう問題があります。

これを解決するためにAIエージェントは複数のメモリ戦略を用います。短期メモリとしてはLLMのコンテキストウィンドウ自体が使われ、現在のタスクに直接関係する情報が保存されます。長期メモリとしては、ベクトルデータベースや通常のデータベースが使われ、過去の会話履歴や知識が永続化されます。

AIエージェントのメモリ機能の詳細については専用記事で解説しています。

LLMがエージェントの「脳」として機能する仕組み

AIエージェントにおいて、LLM(大規模言語モデル)はシステム全体の「脳」として機能します。LLMは入力されたテキストから状況を理解し、次に取るべき行動を言語として出力します。この出力がツール呼び出しの命令になったり、最終的なユーザーへの回答になったりします。

現代のAIエージェントでは、GPT-4o、Claude 3.5 Sonnet、Gemini 1.5 Proなどの高性能LLMが使われることが多く、これらのモデルは複雑な推論や長い文脈の理解に優れています。モデルの能力がエージェント全体のパフォーマンスに大きく影響するため、ユースケースに合った適切なモデルの選択が重要です。

エージェントの実行フロー例

「東京でおすすめのイタリアンレストランを3件調べて、営業時間と価格帯もまとめてください」というタスクを例に実行フローを追ってみましょう。

まずLLMはこのタスクを分解し、「レストラン検索→各店舗の詳細情報収集→まとめ作成」というプランを立てます。次に検索ツールを呼び出して候補店を取得し、各店舗のウェブサイトやGoogleマップのデータを収集します。すべての情報が揃ったら、LLMが情報を整理して読みやすいフォーマットでまとめを生成します。

まとめ

AIエージェントの仕組みは、ReActループによる推論と行動の繰り返し、Function Callingによるツール統合、そしてメモリシステムによる情報の永続化という3つの要素が組み合わさって実現されています。AIエージェントの計画立案能力を理解することで、より高度な活用が可能になります。この基本的な仕組みを理解した上で、実際のツールを試してみることをお勧めします。